アズライト
「おまえ
食べ物粗末にすんな

食べ物粗末にすると
八十八人の農家の方々が
ものすごい勢いで」


「なーんーで?!
なーんーでーよーっっ!!!」


「痛えな
何で俺が怒られるのよ
服伸びるからやめろ 」


「何で怒らないの!!??」



「じゃあ二度と顔見せんな
これでいい? 」







「…あの人 誰 」


「だれって? 」


「今 話してる人 」


「友達 」




春が台所から
居間の中心へダッシュした


− 目線は俺の携帯 −



春の手が届きそうになった瞬間
携帯を足で思いきり
となりの寝室に蹴り飛ばした


春はまだ追いすがり
四つん這いのまま携帯を握る



俺は片手で春の腕を持ち上げ
それを引きちぎる様に奪い返し
寝室の窓を開け
夏草が茂る裏手の森に
ありったけの力で放り投げた









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