アズライト





画面を見入ると
彼女は騎士のアクションで
俺にお辞儀をした

ヒュっとあげた顔に挑戦的な碧の瞳
高く上げた長い金髪



AZ『感謝します Maximさん

でも私まだレベル低いし
いつかMaximさんと組める事があったら
その時是非交換してください
その時は私からお願いします 』


どきん と した

ホッケーで敵チームと
競り合った時の感覚に近い



少し間を置いて


Maxim『 俺を袖にするなんて
たいした度胸だなw』


AZはキョトンとした後
けらけらと笑った




ここは少し敵に癖があると話し
安全に狩れる場所まで二人を護衛する


湿地の端、小さな洞窟を抜けた

Asura『え こんな横道あったんだ
うわ… !!! 』





   青と白 高い空



山間の小さな草原
白い小さな花が咲き乱れる


ここは乱獲を防ぐ為なのか
ソロでは入れない

一部の詳しい奴が
サブキャラを育てているのか
チラホラとチームで
ワームを狩っていた


崖下にはまだ
俺も見た事のない場所へ流れ込む水が
とうとうと落ちていく


綺麗な虹が架かっていた




AZ『Maximさん 』


「ん? 」


Maxim『ん? 』



AZ『ありがとう 』


Maxim『w』



Maxim『ここ、出る時も三人だから
Fon鳴らして教えて
少し用事する 』


Asura『了解!AZさん!狩るぞー!』


AZ『おけ! 』



Maximを『寝る/』のコマンドで
横にさせ、俺はトイレへ



「?!」




ふいに
洗面所の鏡にうつった自分を見て
愕然とした




「何かニヤニヤしてんだ俺…」




急いで顔を洗って
外に空気を吸いに行く



山と民家が並ぶ空は

綺麗な夜明け間近だった







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