アズライト

今日は S級モンスター
『BAR』を倒す約束の日だ

前衛がヨダレを垂らす
ヤミガスミの剣を落とすのだが
一度レベル60代フルメンバーでやった時
5分もたたないうちに全滅した

口では色々いうがそれなりに皆
自分の装備とスキルに
自信を持っていたから
かなり頭に来たし不満もあった

言わせてもらえれば
前回の負けは後衛の準備不足
盾の装備と判断違い

仲間内ではそう話していたが
Sモンスターとやる時は
複数チームで連携もしづらい
空気悪くするのもなんだし
皆黙っていた

俺は仕事で昼いけなかったが
一回今日やったらしい
結果は 前回と同じ敗北

夜のメンバーはLevel75以上限定
シビアだが、二回失敗しているのだ
Sに挑戦するには準備もいれば金も要る

目的地に着くまでに
全滅も有り得る危険な場所なのだ


仕事帰りに買ってきた
ハンバーガーを食いながら
目的地前の闇の回廊で他チームを待つ

ここまでウヨウヨと
モンスターが出て来た事を考えると
一種神秘的な雰囲気を持つ静寂に
敵の強さを感じる

…何しろSは、向こうから襲って来ない


外でスクーターの排気音

ガターンと玄関が開いた

「兄ちゃん!!
もう戦闘始まっちゃった?! 」

「今まだ2チームしか到着してない
当分かかりそう 」

「そっか!良かったー!!」

「また5分で終わるかもよ」と
俺は笑う

「貴重だって!
何しろ全サーバーで
BARに辿り着けてるの
淳くん達だけなんだから」


「でもSシリーズの中では
BAR最弱なんだろ?公式見たけど」

「それはそうだけどさ…」



Niru『え?!
光魔遣いさん来られないの?!』

YAE 『ホントにごめんなさい!!
なんか親に怒られたらしくて(;_;)』

hama『親…』

Kentucky『親ってwww』


「なんかザワついて来たな 」

「各職業三人づつ揃ってないと
無理じゃなかった?」

「そそ なーんだよー
ムカつくなあああ 」
タバコに火をつけてあぐらをかく

「回復いないって無理じゃんこれ」


Sero『あの』




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