アズライト
赤いタイル床の敷地

両脇にいくつも列ぶ白い街灯には

『ショートフィルムフェスティバル』と印刷された旗が風に揺れている



青い空とのコントラストが
くっきりとして美しい
催し事が違うと、こんなに場所のイメージが変わるんだな



肩に大きなバックを背負って、迷彩ベストを着ている金髪に帽子の男性が、
会場となる硝子の建物を写真にとっていた


− この時期になると
一週間ほど開かれる、映像のコンテスト



時間にして三分に満たない、プロモーションビデオ風の映像や小コント風の作品
果ては40分にもなる自主映画まで上映され、バラエティーに富んでいる

ここで優勝すると、海外の映画コンテストに推薦され
そこで賞をとって、活躍している日本の監督も少なくない


何年か前
東京で開催された時には、シークレットゲストとして、SF映画で有名な、あのスチルバーグ監督がやって来て
アマチュア時代のショートフィルムを公開したそうだ


SF映画が有名な人だけど
何本か戦争映画もとっている
(興行的にはSF物には及ばないが


そのフィルムも、時間にして15分程
− 自由を求めた脱走兵が、逃げ込んだ森の中で真実に出会い
最後は敵ではなく、味方の兵士に殺されてしまう −
それが少しテレビで紹介されていた時
彼のルーツはここにあるんだなと思った




夕べはちゃんぽんに酒を飲んだから、いまひとつ抜け切れていない

人が集まり始めた会場の入口に近付くと、パンフレットが配られていた



時間が来るまでロビーで待とうと、首からチケット代わりのパスをぶら下げる

チケットには
ワンデイチケットと、ウィークリーパスがある
一日券はシール状だが、パスはラミネート加工された首下げタイプ
記念になるからパスの方を、今回は買ってみていた





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