アズライト

『ポレットの別荘』のラストは



−空襲で燃えて行く別荘−

孤独な移民だった父親は
暖炉のある別荘を愛していた

幼い頃、家族みんなで集まった
暖かい暖炉のある家の記憶



飛び込もうとした父を
抑えたままの母
消し炭になった別荘の前で
茫然として座り込む父

その側で立ち尽くす兄




− 急に 妹、ポレットは
その回りを
枝で地面に線を引き出す



"玄関'


"お台所'


"これはテーブル'

"お兄ちゃん 座らないとダメよ'


ポレットは家族の真ん中に
ポケットから取り出した
棒つきキャンディーを並べる



そして


"おやつを食べたら
お家に帰るわよ
今夜はおまえ達の大好きな
野菜スープを作るからね'


少女は片手を腰に当て
首を傾げて、少し誇らしげに笑う

母親がやる
別荘から帰る時そのままの
台詞とポーズ



厳格な父親が
棒つきキャンディーを取り
包みを解いて、
泣き笑いしながらそれを口に含む


それを見たポレットの
満面の笑顔



エンドは
家族が楽しそうに
街の家で食事をするシーン




− 心を暖めていたのは
暖炉じゃなくて −

そんな事を思わせる映画−




そんな事をアズに携帯で
ちょっと熱く語っているうちに
いつの間にか眠ってしまった


ずっと

子守唄が聞こえていた気がする






< 177 / 309 >

この作品をシェア

pagetop