アズライト
− 八野戸駅 −


開いたばかりの緑の窓口で
東京行きの新幹線の切符を
一枚頼んだ

「御席はどうなさいますか?」


「…乗れるなら
何でもいいです」









教えられたホームに立って
しばらくすると
白に、青と緑のラインが入った
新幹線がやって来た


放送がかかり
扉が開く



いつの間にか列んでいた
乗客と一緒に中に入った


窓際に
切符と同じ数字の席を見付ける









それだけの事

…たったこれだけの事を
何で俺は今までしなかったんだろう………






− 拳を握った −





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