アズライト


「元々、秋田の出身でね
…本当に美しい女性だった

年を取らない、
永遠の時のオンラインゲーム か
…いいね


 まだ私が若い頃…
といっても、もう二十代後半

うまく行かない夢に自暴自棄で
街で遊び回っていた毎日

そんな時にまだ
十代ながら国を飛び出しハコに出ていた
アズサに出会ったんだよ


…いつの間にか一緒に住む様になった




私も共に日本へ行き

すると
日本語が不自由な私に代わり
彼女は馬車馬の様に
バイトをし始めた

ツテを持っていた音楽関係の仕事から
声優、清掃、飲食店、
紹介された物なら、なんでもやっていた


…そして
私はそれを湯水のように
遊び回って使った

彼女はデビューの話が来ていた
……彼女の才能を
私は妬んでいたのかもしれない…



そんな時…
友人に誘われてアメリカにいった
ひょんな事から音楽関係の知り合いが出来て


そのまま私は…
…アズサの元にはもどらなかった…


アメリカでの大成功

…そんな時に昔の事を思い出すものでね
彼女の事を調べさせたよ


放蕩の末アル中になって
倒れてからは病院に入っていたらしい
会いに行った時には
記憶がだいぶおかしくなっていて、私の事を父親と信じ込んでしまった」






< 290 / 309 >

この作品をシェア

pagetop