Boys Kissシリーズ・『演技のキス』
演技のキス
俺は彼と向かい合う。

手を握り、俺は言った。

「―お慕い申し上げます」

「ええ、私も愛していますよ」

そうして二人は熱い口付けを…。

「交わしてたまるか」

ぐいっと彼の顔を押した。

「ふぐっ!」

「まっ、客席からはそう見えるようにすれば良いか」

「えっ、でもそれじゃリアリティーに欠けない?」

「欠けて結構。誰もそこまで望んでいない」

「…それは現役演劇部員の言ってはいけないことだよ」
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