りんねの歌
「自己紹介しよっか?」
「……何で?」
「まぁいいじゃん(笑)ここであったのも何かの縁!」
──さっきまで襲おうとしてた奴に自己紹介ってもしかして変人?
「いや、変人じゃないから!」
「………テレパスなの?」
「違うよ。まぁでも、超能力者かな」
「ふーん」
───テレパスじゃ、ないのか。残念。
周囲には黙っていたが、凜音はテレパスの超能力者である。
人の心の声を聞くことが出来た。でも、必要最低限以外で能力は絶対に使わないと彼女は決めていた。
心の声が聞けることはいいことばかりではない、むしろ、人間の嫌な声のほうがよく聞こえるのだ。
───別に、こんな能力いらなかったのに。