りんねの歌





凛音は目を開いて、リオンのもとに駆け寄った。




「今のは?」



呼吸を整えてから、リオンは答えた。



「ダークは…力を使いすぎると、影に飲み込まれるんだ」


「影に…?」


「もともとダークは影から生まれた種族だから…」



凛音は精神を統一して、治癒魔法を使った。


――アマナリヤ…この者の傷を癒したまえ…。



リオンの体が光に包まれたと同時に、傷口がふさがっていった。




「凛音…どんどん強くなってねぇ?」


「不思議とね…使えば使うほど…思い出していくの」



凛音は自分の手のひらを見つめた。リオンはそれをなんとも言えない表情で見つめていた。






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