りんねの歌
「……あなたは…誰?」
───誰と言う表現はおかしかったかしら…。
エメラルドグリーンの瞳はずっと凜音をとらえている。
『我が名はウル。お前たちが探していた龍さ』
「…どうして知っ……」
『風のうわさみたいなもんさ。私には…水たちの声が聞こえる』
───そうなんだ…。
『お前は死んだわけじゃないよ…。』
「………え?」
───あたしは死んでいない?
凜音は困惑する。しかしウルは構わず話を続けた。
『満月の夜、湖とこの一番上の水晶が重なった時…ここの入口が開くのさ』
───そういえば…最後に満月を見た気がする…。