りんねの歌





「……あなたは…誰?」


───誰と言う表現はおかしかったかしら…。




エメラルドグリーンの瞳はずっと凜音をとらえている。


『我が名はウル。お前たちが探していた龍さ』


「…どうして知っ……」


『風のうわさみたいなもんさ。私には…水たちの声が聞こえる』



───そうなんだ…。



『お前は死んだわけじゃないよ…。』


「………え?」


───あたしは死んでいない?




凜音は困惑する。しかしウルは構わず話を続けた。



『満月の夜、湖とこの一番上の水晶が重なった時…ここの入口が開くのさ』



───そういえば…最後に満月を見た気がする…。




< 125 / 144 >

この作品をシェア

pagetop