りんねの歌
『お前は…選ばれた人間なのさ。見たところ、魔法を使えるだろう?』
「……うん」
『テレパスの能力者でもあるのかぃ……』
「…うん……」
───超能力者は魔法を使えないはずなのに…。
ウルはふぅーっと凜音に自分の息を吐いた。
『私の背中に乗りなさい…』
ふわっと凜音の体は浮いてウルの背中に乗った。
ウルはゴオォッと水の中を進む。
水の中にいたはずなのに、凜音は息が出来た。
───息が出来る…。不思議な間隔だわ……。
ウルの吐息には水の中で息が出来る特殊な効果があった。