りんねの歌
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どれくらい歩いただろうか…先に見えるのは森だけ。凜音はこの時間が永遠のように感じた。
「……オジサン、まだー?」
「まだまだ。もう疲れたかー?」
「平気だもん。それより……悪の退治って?」
リオンはぴたりと足を止めた。凜音はそれをみてゴクリと生唾を飲んだ。
「…この世界が混沌に満ちているのはわかるだろう?」
「あたしたちの国だけじゃなかったの?」
「…そうだ。もう、世界中が狂気に満ちている」
リオンは空を眺めた。それにつられ凜音も空を見上げる。すっかり夜になり、星空がキラキラと輝いていた。
「人間の心もこんなにキレイだったらよかったのにね……」
凜音はふと呟いた。それを聞いたリオンは目をまるくさせ、クスリと笑った。
「お嬢ちゃん、人間のくせに変なこと考えるんだな」
凜音はばかにされたと思い、カッとなって殴ろうとしたが自分では勝てないと思い手を引っ込めた。
「オジサン……説明を続けて」