りんねの歌




「姫様、私はあの時、確信してしまいました」


「…何を」



嫌な予感がする。



「あなた様が、アクア姫の生まれ変わりなのだと」


「っ!!」


「だから姫様。あなたは逃げなくては…必ず生きなければならないのです」



「………どうして」



「ウェルトは…ある財宝を狙っています。魔法の宝玉を」



魔法の宝玉…?



「古い言い伝えです。魔法の宝玉を手にした者は、どんな願いでも叶うと」


「………」


「それがたとえ、世界征服などという…暗い野望だとしてもです」




そんな…だったら…。


「ウェルトがその宝玉を狙うのと、あたしはどう関係しているの…?」



だって、関係ないじゃない。

あたしと、その魔法の宝玉なんて…。





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