りんねの歌



「で、でも!あたしがアクア姫の生まれ変わりだとは限らないじゃない!」



「……凛音様…」




違う…。違う!


あたしはそんなトクベツな存在じゃない!





「あなた様の胸元には、音符と十字架のような痣がありますね…?」


「っ!!」


「あの痣こそが、証拠です。」


「嘘!嘘よ!!」



ドンドンドン!!



自室のトビラが勢いよく叩かれる。



『姫を出しやがれ!ここにいるのはわかっているんだ!』



「さぁ、姫様逃げましょう!」


「ルチア…あなたの魔法で追い払えないの?」


「私にはもう、魔力がありません…」


「どうして?」


「テレパスの能力者であるあなた様は、本来ならば魔法を使うことができません。ですから、私の魔法能力をそのまま…あなた様に送り込みました」



「どう…いう…」



あたしに魔法を教えてくれたときは…使えていたじゃない…!



「最初は半分だけ…。教える必要がありましたから。そして、先ほど残りの半分全てを送りました」


「そんなこと…できるはず…」


「ルチアは世界の5本指に入る魔法使いだから、出来るんですよ姫様…」






< 134 / 144 >

この作品をシェア

pagetop