りんねの歌
「で、でも!あたしがアクア姫の生まれ変わりだとは限らないじゃない!」
「……凛音様…」
違う…。違う!
あたしはそんなトクベツな存在じゃない!
「あなた様の胸元には、音符と十字架のような痣がありますね…?」
「っ!!」
「あの痣こそが、証拠です。」
「嘘!嘘よ!!」
ドンドンドン!!
自室のトビラが勢いよく叩かれる。
『姫を出しやがれ!ここにいるのはわかっているんだ!』
「さぁ、姫様逃げましょう!」
「ルチア…あなたの魔法で追い払えないの?」
「私にはもう、魔力がありません…」
「どうして?」
「テレパスの能力者であるあなた様は、本来ならば魔法を使うことができません。ですから、私の魔法能力をそのまま…あなた様に送り込みました」
「どう…いう…」
あたしに魔法を教えてくれたときは…使えていたじゃない…!
「最初は半分だけ…。教える必要がありましたから。そして、先ほど残りの半分全てを送りました」
「そんなこと…できるはず…」
「ルチアは世界の5本指に入る魔法使いだから、出来るんですよ姫様…」