りんねの歌
「俺は探してるんだよ、姫様を」
───姫様…?
「言い伝えさ。長きに渡り混沌に満ちた世界になったのはこれがはじめてじゃないんだ」
"歴史は繰り返される"凜音の頭にその考えがよぎった。
「今から100年前にも同じことが起きたんだ。」
「………………」
「金色の髮に紅の瞳をした一人の女が歌を歌い始めたんだ」
「…………うた?」
「そう。透き通る声に人々の心は浄化していったんだ」
───変な話。そんなの、逸話じゃないの?
「今、どこかにその人の生まれ変わりがいるんじゃないかって」
「探してるんだ?」
リオンはこくりと頷いた。