りんねの歌
ーーーーーーーーー
「ほう、幼き身のそなたにはさぞ辛い思い出だったのだろう...」
水龍は優しくそう呟いた。
「うん。消えたかった。でも、どうしてか最後の最後で光に飲まれて...」
「光に?」
興味深そうに水龍は私の顔を覗き込んだ。
じっと見つめる。エメラルドグリーンの綺麗な瞳。
「フハハ、そなたは気づいておらぬのか。」
「気づく...?」
「良い、良い。それもまた一つ。私から伝えるのは無粋であろう。」
上機嫌に水龍はくるりと舞って、再び私の前に降り立った。
「そなたと一緒にいた男が随分と心配しておるようだ。現世に帰りたいか?」
「...はい」
そうだ..リオンとはぐれてしまったんだ。
「リオン...をここに呼ぶことはできないのですか?綺麗だし..見せてあげたい」
そう言うと、水龍は気難しそうな顔をしてふぅーっとため息をついた。