りんねの歌
「リクレに!?大丈夫だったのか!?」
「うん。」
リオンは不思議に思った。リクレは人には決して懐かず、人を見れば一瞬で襲い掛かるというのに。
───なんで、こいつは襲われなかったんだ?
「…お前、何したの?」
「何って?」
「リクレといるとき、何したわけ?」
凜音は不思議そうに首を傾げる。
「歌を…──歌ったの」
「歌─────?」
リオンは時が止まったように感じた。いや、正確にはリオンの頭が真っ白になったほうが正しいだろう。
───まさか。いやでも、こんな少女が……?
リオンは考えこんだが、コトがはっきりするまでは伝えないほうがいいと判断した。