りんねの歌
凜音はギュッとリオンに体を包まれた。
久しぶりに感じる人の温もり。
────あったかい…
ずっとずっと凜音が忘れていたもの。
「俺がいるから。我慢すんな?」
「だま…れ!リオンな…んかっ」
───それでも強がろうとするあたしバカだね。リオンは……優しいね。
「無理すんな。泣きたいときは思いっ切り泣け」
「………っく……」
───こんな世界でも、人のキレイな心はまだ残ってるんだね?
「んで、笑いたいときは思いっ切り笑え!感情を大切にしないと、時間が持ったいないぞ?」
「ふ…うっ…わぁぁぁん!!!」
リオンのその言葉に凜音は糸が切れたように泣き出した。