りんねの歌
凜音と杏里は友達などではない。この国で助け合いなど、無意味なものだ。
この混沌の国"カオス"では────
「本当?リクレ、みたいな」
「凜音物好き〜。あたしはごめんだね」
リクレとはホワイトタイガーに翼がある神秘的な生き物である。
ドラゴンのように狂暴で、人前に現れることはない。
───リクレみたいな神秘的な生き物見たいと思ったら変かしら?
凜音は人とは物事の考え方が違っていた。
何故、人は生きるのか
何故、世界があるのか
不思議に考えるとキリがないことをいつも思っていた。
────この国では、誰が一番強いのかしら…。
幼き凜音に親が言ったコトバを彼女はまた今日も考えていた。
『凜音、いいかい?いかに敵を倒すかが強さじゃないんだよ。本当の強さというのはね────』