りんねの歌







「あの日ね、街にご飯買いに行っただろ?」


「うん」


「サンドイッチを買った後に声が聞こえたんだ」


「声?」


「凛音が『助けて!!』って」




―――もしかして…。



「あたしがテレパシーを無意識に送っちゃったのかも…」


「かもしれないね。気付いてたら走っていた」




『見た目以上に大きいようだね……』



男の声が凛音の中で再生された。腕をつかまれて、胸を……。




考えるだけで震えてくる。凛音の手をリオンはぎゅっと握った。





「森に来たら、凛音が襲われてるところを見て……」


「見て……?」


「そこから記憶がないんだ」



「そうなんだ…。じゃぁあたしが話してあげるよ!」





凛音はそこから何が起きたのか一部始終を話した。







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