りんねの歌
「凜音〜お腹すいたー。…行かない?」
「……わかった」
こんな争いばかりの国にお店があるわけなどなく、食べ物が欲しければ自分で調達しなければならなかった。
人から奪うか、それとも森の動物を自分で殺すか……
この二つの方法しかないのである。
「あ、あいつ!とろそうじゃない?」
杏里が指さしたのは、若い男性だった。背は高く、ガタイはいいのだがどこかとろそうに見えた。
───今日の獲物はあいつに決まりね。