りんねの歌
「そのほかには何か思い出した…?」
「ごめん…っまだ全然ごめ…」
「いいよ凛音。ゆっくり思い出したら」
―――リオン……
『凛音様…』
「っ!!あの人!」
「あの人?」
「あたしを“凛音様”って呼んだ女の人…」
凛音はがたがたと震える。
「あたしが今までお母さんだって思ってた人……っ!!」
『ルチア…』
―――なんで?どうして…
凛音は困惑した。
自分がフィグル国の姫ならば、何故遠く離れた荒れた国にいたのか検討がつかなかった。
そして。今まで母親だと思っていた人が自分の付き人だったこと。
―――あたしのお母さんは…誰?