りんねの歌




─ハッ



「リオン!!リオン!!!?」



夢から目が覚めた凜音は必死にリオンを探す。



すぐ近くで倒れているのを発見した。




「どうしよう…治さないと……!」



───治癒の魔法……お願い思い出して!



凜音は必死に記憶を辿ろうとするが、見つからなかった。




───どうしよう…っ!



『いいですか?姫様』



頭の奥でルチアの声が響く。



『治癒魔法は相手を治したいと心から願わないと使えません。…相手の手を握り……』



凜音はリオンの近くに寄り、手を握った。



『そして唱えるのです。』


また凜音に不思議な感覚が襲った。



やけに静かで、時間が止まったような感覚。




そう…自分が何千もの戦闘機を落としたときのような…。



「アマナリヤ……この者の傷を癒したまえ……」




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