りんねの歌
「おいオッサン!食いもんよこしな!!」
「オッサン!?俺まだ、若いつもりなんだけどなー」
ぽりぽりと頭をかく男は今自分がおいはぎに会っていることをわかっているのだろうか…?
「うっせぇよ!」
杏里が大声を出しながらイライラしているのを見ながら凜音はそーっと背後から忍びよった。
───あと少し……。
男の荷物に手をかけようとした瞬間凜音は何かに手を捕まれた。
───しまった!気づかれた!!
杏里は「ちっ」 と舌打ちをすると、男に向かってナイフを投げた。
男はそれを難無く片手で刃の部分を挟みとった。
「あっぶなー!!」
ひょうひょうとしているが、男が強いと凜音は判断した。
───倒せる?倒せない?
凜音は右足を上げて男を蹴りつけようとしたが、それも片手で阻止されてしまった。