―春輝side―



…………………。



意味分かんねーよ…。



咲がガン?



なんだよそれ…。





公園に来たのはいいけど…遊ぶ気力を無くした俺は、一人で遊ぶ響をベンチから眺めるだけ。



咲がこの世からいなくなる…?



今までそんな事を考えた時なんてなかった。



いつも一緒にいるのが当たり前で…



これから先も一緒にいるんじゃないのかよ…



「…………っ」



響「パパ泣いてるの?どうしたの?」





人は失ってから大切さに気付くって聞くけど、俺は失う前に分かったよ。


まだ完全に受け入れられた訳じゃない。でも…



咲と少しでも長く一緒にいたい。何かしてあげたい。



そして俺は決めた。



「響、今日はもう帰ろっか。あ、パパが泣いてたの、ママには内緒だぞー?男の約束だ」


響「約束だー!」





帰ってからはお互い病気の話はせず、のんびりした休日を過ごした。
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