ウェディング・ストーリー
色々と整理するものは多くて、何かとバタバタしながら引越しまでの最後の週末
私は荷物まとめに勤しんでいた。
やつは全然忙しそうに見えないけど...
なんかあたしの方が引っ越す人みたい。逆だろ。手ぇ動かせや、コラ。
若干、苛立ってくる今日この頃。
ふと声がしたような気がした。
気のせいかな?
一旦止めた手を再び動かす。
ガサガサッ、トントン。
「・ぃ・・ぉぃ。・・おいって!聞けよっ!!」
痺れを切らした大きな声が聞こえた。
どうやら気のせいではなかったようだ。
てゆうか、どっちかといえば、あたしの方がキレたいんですけど。
アンタの引越しなのに、どーして本人働かナイ?コレオカシイ。
「え?なに」
不満はあれど、とりあえず聞いてやろう、アンタの言い分。
「はぁ~」
何、ため息なんか吐いちゃってんの!?
「いや、おもいっきりため息つきたいのアタシだからっ!!」
どこまでコイツ無神経なんだ?
「だって、聞いてねぇじゃん。話してんのに」
明日から仕事で荷造り出来ないってこと分かってて
こんなに一生懸命頑張るアタシにどうしろって言うんだ?
そりゃ話なんて聞く余裕もないさ。
大量の雑誌や、いらない置物まで挌闘しなきゃなんないってのに。