ウェディング・ストーリー
私のそばにあったもの
あの日は公園でひたすらに、レイアップシュートの練習をし続けていた。
碌にバスケに打ち込んだことがなかったのに、無性にやりたくなって、夜の公園へ一人で繰り出した。
案の定、やってもやっても入らない。
もうそろそろ止めようか、と思っていた時だった
くくっ、と後ろの方から聞こえる笑い声。その方向に振り向いてみると、高校生ぐらいの背の大きな男の子がバスケのボールを右手抱えてこちらを見て笑っていた。
下手なのは知ってるけど、人に見られているとは思わず、次第に恥ずかしさが増してくる。
その場を立ち去ろうか考えていると…
「お姉さん、俺が教えたげよっか?レイアップ」
思ってたより、低い声でちょっと小馬鹿にしたような少年の提案に、何故か乗ってしまったことで、私の人生が大きく変化してしまったのは、後で知ること。。。