ウェディング・ストーリー
あの後、少年にかなり扱かれて、小1時間くらいレイアップの練習をこなしていたら、熱血指導のお陰か、見事シュートを決めた。
やった!と、声を思わず張り上げた私は、嬉しくて彼の顔を見ると、少年も満足そうに笑っていた。
それが、颯斗(はやと)との出会いだった。
その日を境に、私はストレス発散したくなる時、いつもその公園でバスケをするようになった。
そして、なぜか颯斗も時間をずらしてやってきては、私のフォームにダメ出しをして、コーチをしてくれるようになっていった。
彼は17歳。私は、28歳の夏のこと
颯斗は、私に遠慮なく物を言うし、私も年上だからか、大人ぶって偉そうなことを言いながらも、気兼ね無く接することができる関係性に、
なんだか弟が出来たようでとても嬉しかったことを覚えている。