ウェディング・ストーリー


あの街を、旅立ってから6年が経った。


私は、あれから専門職の資格を取って、全く別業界での仕事を手にして、毎日仕事にのめり込んでいた。


今住んでいる町は、前に住んでいた場所からは、かなり離れているが、
海と山に囲まれて、自然豊かなとても癒される場所だ。



私は、地元の大学病院で働いている。だいぶこの街にも慣れてきた。



もう34歳にもなってしまった。女性としての適齢期ってのは、とっくに過ぎてしまっている。



男性とも縁がなく、この歳まで過ぎてしまったのだ。



今となっては、6年前に出会った高校生の男の子と接点があったあの日々がとても懐かしい。



彼は元気にしているだろうか。



もう大人になっているのかな?



あの頃の彼の弾けるような笑顔と、11歳も離れたオバさんに容赦なく練習の指導をしてくれたこと、



今でもハッキリと覚えている。



私の青春は、



きっと彼と過ごした日々だった。



< 83 / 85 >

この作品をシェア

pagetop