愛を求めすぎて


袋からプリンをとると、もう1つ、私の大好きなものがあった。


赤い箱に入ったロッテの板チョコ。


味も薄さも大好きで、置いてあると何個でも食べきれるくらい。


私はプリンより先に板チョコを開けて、わってすぐに口に入れた。


「ん~、美味しい」


そう言って自然と笑顔になる。


「お前は食べてると本当幸せそうな顔するな~」


お父さんは笑いながら言った。


お父さんがあまりにも大きな声で笑うから、私は人指し指を口にあてて「しーっ」と言った。


お父さんははっとして、私と同じ部屋の人に軽く謝った。


私と同じ部屋の人は、皆おばあさん。


私の年で手術する人は少ないんだって。


おばあさんたちは、私みたいに靭帯とか、怪我をした訳じゃけど。


年は離れているけど、手術したどうしで話は結構できるし、皆凄く優しくて、おやつとかジュースとかをくれたりする。


きっと、孫みたいで良くしたいんだろうなぁ・・・。





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