愛を求めすぎて
その他の部門にいた人も何人か私たちのいる『壁画』に移動して、今日の放課後から文化祭の準備が始まる。
「さ~て。何書くかな?」
愛李が鉛筆を持って、大きな白い板を見つめる。
実は愛李は美術部。
結構いい絵が書けるんじゃない?
って私的に自信あり。
私は黙って愛李の隣に座る。
けど、みんなで何を書くか考えてみるけど、なかなか思いつかない。
4時になって、遼介が「あ!」と思いついたように立ち上がった。
何か良い案が思いついたのかと思ったら、
「俺、生徒会あるんだった。行ってきま~す」
そう言って走って行ってしまった。
「ちょっ、遼介ぇー!」
私は遼介の行った方に向かってさけんだ。
けど、戻ってくる訳もなく。
「も~・・・まぁいいや。うちらだけで頑張ろ」
ズルいなぁ。とか思いながらもしょうがないから残った人たちでやろうともう一度板を見る。
「遼介いなくたって別に・・・」
そう言った途端、愛李まではっと何かを思い出した。
「・・・愛李も委員会だ!」
「え!?」
愛李がいなくちゃ進められないじゃん・・・!
「あ、俺もだわ」
「そーいえば私も~」
壁画に入った人たちはほとんどの人が委員会に入っちゃっているらしい。
「え・・・あ、いってらっしゃい・・・」
私は渋々みんなにそう言って机に頭をつけてため息をつく。