愛を求めすぎて



別に悲しくなんてないんじゃない?


これで、学校のマラソン大会、出なくてすむ。


これで、部活だって出なくてすむ。


そうすれば、体育の授業でもないのに走ることだってなくなる。


私の大好きな昼寝だって、学校から帰ればいくらだってできる。


私は、自由じゃんか。


最高じゃんか。





私の大好きな自由が待っているんだよ?



どうして、自分の意思もなく、この涙はでてきたの?


今まで流れたことのなかった、悲しい涙。



心が重くなって、何もかもが信じられなくて。



心がさけんでる。


『嘘だ』



って。



『そんなの信じるもんか』



って。




でもね、未羽香ぁ・・・


きっと私ってこんなもんなんじゃない?


嬉しいことだってあれば、悲しいことだってあるんだから。




マラソン大会出ないのだって、部活出ないのだって、昼寝できるのだって




それは、この足が故障したお陰でしょう?



何が1年だ。


たかが1年だ。





神様は少しばかり、私に悲しい思いをさせたいようだよ。



いいじゃんか。


戦ってやろうじゃんか。


私はきっと、すぐに自分を失ってしまうだろう。



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