愛を求めすぎて
余裕
「昌人ぉー!もっとはぁやぁくぅ~!!!!光輝帰っちゃう!」
私は今日初めて会った人の自転車に乗って背中をぱんぱん叩く。
「未羽香ちゃんは~なんて人使い荒いんだ!」
そう言うと立ち乗りで勢いよく走り出した。
「きゃぁーっ、はははあっ!きもちぃ~!」
高校初日でテンションが上がる私。
「ぅおーっ!きっつ!未羽香ちゃ~ん楽しいー?」
昌人は私に大声で話しかけた。
それに私もとびきり大きな返事をする。
「楽しいー!!!!!」
「そりゃ良かった♪」
昌人の声のトーンで昌人の笑顔が浮かぶ。
「昌人笑ってるでしょ?」
「なんでわかんだよ~、あ、愛の力か?」
「未羽香は昌人なんかに恋してないから~、愛の力もなんもないの~」
そう言い合って二人で笑って光輝のいる中学校へと向かった。