冷血がーるの恋物語。
「…どうやら俺、水谷サンのこと、知りたくなっちゃったみたいだし。」
ペロッと舌を出して実の手からあたしを離す。
「…教えてくれるっしょ?俺に、いろいろと。」
耳元で聞こえる声に、なぜだか少し、緊張してしまったのは。
あたしの一生の不覚。
「死ね。…帰る。」
逃げるように、大河の腕を払いのけ、早足で駅に向かう。
「また明日な!」
その言葉に一瞬奴を振り返ると、満足そうに笑っていた。