アイマイ上司の胸のウチ
社内で色恋沙汰など、正直言って煩わしいモノでしかない。
後々の事を考えれば…、そんな思いから女性社員とは一線を置いていた。
そう…、あの日にオマエと出会うまでは・・・
「け、経理部に配属されました、斉藤 鈴と申します。
い…、一生懸命頑張りますので、宜しくお願いいたします!」
少しだけ震える声ながら、たどたどしく言葉を紡いだ女の子。
何て事のない、ただ新年度に入って、新人が入ってきただけ。
もはや恒例となっていた、新人たちの自己紹介でのひとコマだというのに。
セミロングのストレートヘアを、サラッと揺らしながら挨拶をして。
お辞儀のあとで、穢れなど微塵も感じさせない笑みを浮かべる新人。
経理部には3人の新人を迎え入れたというのに。
またいつものように、新たに後輩が出来ただけだというのに。
どうしてだろう…、なぜか彼女の瞳から目が放せなかった・・・