お嬢様はヤンキー様。
1.執事になりました、お嬢様。
「でっ…けー!!」
俺は今、とある家の玄関の前にいる。
とりあえず、デカい。
家の端が見えねぇ。
お城かってぐらいの豪邸が俺の前にドンと立ちはだかってる。
そう、ここはいわゆる豪邸って奴。
大金持ちの主人に、俺よりも1つ年下のお嬢様。
それに仕える、沢山のメイドさんに、コックさん、リムジンの運転手。
これがこの豪邸に住んでいる人達。
そして今日から俺、朝倉志弘(アサクラ シグ)もその仲間入り。
なんでかって?
俺は、この家のお嬢様の、執事に選ばれたから。
そう、俺は、今どき有り得ない執事という仕事をすることになった。
なんで執事になったかって?
それは、さかのぼること半年前のお話。