お嬢様はヤンキー様。
人生の分岐点
半年前―――――
「次ぃ、朝倉~!
あれ?朝倉?朝倉はどこ行った?」
「ここにおるわボケ。」
俺はよぼよぼ爺さんである担任の田部にヒラヒラと手をふる。
目の前の机に座ってんのに、なんで気付かないんだか。
やっぱ、もうぼけてんだな。
なんて1人で納得して頷く。
朝倉志弘。
高校3年生。
ただいま進路についての相談のために担任と面接開始した。
つーか、こんな大事な時期に、こんなぼけた担任でいーのかよ?
「朝倉は、やっぱり大学進学が希望かぁ~?
お前は、頭だけはいいからなぁ~!」
「頭だけはってなんだよ!
お前それでも担任かっ!」
俺の言葉を聞いて担任はカッカッカと渇いた声で笑った。
「朝倉はとても真面目とはいえない態度をとってるからな~
しょうがないじゃろ~が。」
そう言ってまたカッカッカと笑う。
…………なんて腹のたつ担任なんだ。