お嬢様はヤンキー様。
運命の面接
恋を捨てた俺は、この学校で一番しっかりしている化学の山路先生と面接の練習をした。
ちなみに山路先生は真面目で誠実な人なのに、響きが似ているからか、はまじ先生と馬鹿にされている。
って、はまじにも失礼だな、コレ。
まぁそんなこんなで、ついに面接の日がやってきた。
「「「にぃに~!!!」」」
幼い弟妹が俺の体を揺らす。
「ん~………っ
あっ!!
今日面接じゃん!!」
俺は慌てて携帯のディスプレイを確認。
…6時半。
面接は、10時から、だっけ。
うーん…早く起きすぎたかぁ?
ま、いっか。
「「「にぃに~ママがいない~」」」
そう言って腕を引っ張る弟妹たち。
「………は?」
俺は冗談かと思って起き上がって弟妹たちの顔をみる。
みんな不安げな表情を浮かべていた。
…ガチだ。
俺は慌ててリビングに向かった。
机の上に手紙、発見。
………超、やな予感するんですけど。
…読んでみっか。
『志弘へ。
父さんが倒産しました。
ダジャレではありません。
父さんは参っちゃって寝てます(多分)
つーかぶっ倒れてます。
とりあえず父さんはほっといて仕事探してきます。
見つかったら帰ります。
つーか単に父さんと顔合わせたくないだけだけど 笑
志弘も仕事の面接頑張ってね。
母さんより。』
…………
色々ツッコミたいけど、とりあえず。
…………なにをしてくれてんだ、あの母親は。