あたしのなり方
さて、入学式も終り、いよいよ中学生生活が始まった。

学校は家から5分の距離。しかも登校は並ばなくていいからずっと寝坊ができる。

桜は家族が起こすのを嫌う程、寝起きが悪く、しかも自分では絶対に起きれないのだった。

しかし登校初日ということもあり、張り切って学校に行った桜。

1時間目は英語、入ってきた先生は見た目はおじいさんだけど、年齢は40歳という変な先生だった。

初めて「英語」と言う学習に内心ドキドキしていた桜だったが、みんなで教科書を読むときに、無理矢理舌を巻いたり発音よく聞こえるように勝手に作った発音に自己満足していた。

そんな感じで次々と授業をこなしていって、初めてクラスで食べるお弁当の時間。

このお弁当は朝早くに姉が作ってくれた弁当であった。

しかし好き嫌いの多い桜はすぐに嫌いな物をどけて、好きな物だけを食べた。

そして、最後の時間は対面式だった。

体育館に1年生と2、3年生が向かい合い、お決まりの言葉を言い合った後、校歌を歌った。

校歌を歌詞カードを見ながら歌っていた桜だったが、目の前の中学生とは思えない様な大人びた先輩達に少し緊張していた。

そして、部活動紹介があり、みんなが何に入るかを囁きながら紹介している先輩を見ているときに、桜は(自分はもう決まっているから関係ない。)そう思いながら見ていた。

そして下校時間。

靴箱から出ようとしたときに5~6人の女の先輩に囲まれた。

何事かと思い、苦笑いでその中の一人の先輩に気付いた。

その人は友達の姉で昔、仲良く遊んだ事のある人だった。

「桜ちゃん、部活ってどこ入るか決めた?まだやったらバスケ部入らん?」

笑いながら言う先輩に、内心どうしようと思いながらも、

「それが…姉が藤田先生に頼んで陸上部に入れさすからっ!て勝手に決めちゃったんです。」

おずおずとそう言った桜に、一瞬みんな「えっ!?」と言う顔をした後、何故か恐ろしい物を見る様な感じで、

「あぁ…そうなんや…藤田先生が…」

それ以上、何も言われなくて、桜は解放された。
また桜は後にこの理由が痛いほど分かるのだった。
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