ゲーム『ＴＨＥ地球』

真相

　「あっ、生きてる。
　俺、助かったんだ。」

タケシは、死んで
いませんでした。
意識を取り戻し、
まず、自分が生きている事に、
肩を撫で下ろしました。
が、それも束の間でした。
タケシは、
ステンレスで出来ているのか、
ひんやりした
大きなテーブルの上に
寝かされていました。

「ここは、どこだ？」

動こうとしても、
麻酔でも打たれているのか、
ピクリとも
体を動かす事が出来ません。

「ひいっ。」

灯台元暗しとは、
この事か、
タケシの周りには、
巨大な何者かが三体、
タケシを囲むように
見ていました。

「あの、“裂け目”の奴だ…。」

その何者かの、
ギラつく大きな黒い目と、
黒光りした、
四本指の手は、
幾度となく、
裂け目からタケシを
追い詰めようとしていた、
それでした。

「宇宙人？」

全長二十メートルは
あるだろうか、
ツルツルした大きな頭に、
大きな黒眼、
低く目立たない鼻と、
唇のない小さな口、
ほっそりした体格に、
グレイのぴっちりした
宇宙服のような衣装は、
想像に見る
異星人の印象にぴったりでした。

「そうか、
　すべては、あんたら
　宇宙人の仕業だったのか、
　この世界の
　時間を止めて、
　征服するつもりなんだな。
　それが、俺だけ、
　止まらなかったもんだから、
　必死で
　追って来たんだな。」