ゲーム『THE地球』
欲望
とは言っても、
雷で無い事は、
一目瞭然です。
そう思っているのも
束の間、
“空の割れ目”は、
すぐに消えて
しまいました。

「ま、世界が止まっているんだ、
 何が起きても、
 変じゃないよな。」

その時は、
あまり気にしませんでした。

 ふと、腕時計を見ると、
時間は、午後二時十三分で
止まったままです…。


 タケシは車を走らせました。
海を離れ、町を
目指しますが、
路上に車が止まったまま、
よけながら
走らなければなりません。
そして、周りを見ても、
通行人が動いていないのは、
一目瞭然です。

「駄目だ、
 どこもかしこも止まってる…。」

人の多い、
町の中心地に来て、
タケシは改めて確信しました。
タケシは、
道路の真ん中でひざまずき、
絶望に打ちひしがれました。

 タケシは、しばらくの間、
肩を落としながら、
静寂と、
動きのない世界を
歩き続けました。
しかし、
この世界を
冷静に受け止めると、
次第に、タケシの中から、
その絶望感は、
消えて行きました。

「俺は、神なのか…、
 何でも出来るじゃないか…。」
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