ゲーム『ＴＨＥ地球』

空の裂け目

　タケシは、
この町で一番高い
場所である、
シンボルタワーの
野外展望台に来ました。
ここに来ると、
町や遠くの海、
山が一望できます。
タケシは、
手すりに寄り掛かり、
じっと、空を
見つめていました。
タケシには、
ずっと気にかかる事が
ありました。
それは、
あの海岸で見た、
不自然な
“空の裂け目”です。

「どっかから、
　見られてる気が
　するんだよな～。」

タケシは、
何をするにも、
罪悪感だけではなく、
その見られているような
感覚にもとられ、
いまいち、
止まった世界を
堪能する事が
出来なかったのです。
そして、
あの“裂け目“が、
この止まった世界を
作った事に、
何らかの原因が
あるのではないか、
そう考え、
また、あの”裂け目“を
一目見ようと、
じっと空に
張り付いているのです。

　三十分程、
ずっと空を見ていた
でしょうか、
タケシの期待に
応えるかのように、
それは、出てきました。

『ジジジ…ジジ…』

「で、出たぞ。」

海岸で見たのと同じ、
大きな空間の
裂け目が、
空に現れました。
タケシは、
手すりに寄り掛かり、
身を乗り出しました。

「あ、あれは、目…？」