孤独なピエロ
道化師
女として生まれて17年間、わたしは真面目に生きてきた。

真面目なのが1番。

おかげで友人も多いし、両親や先生方の信頼も厚い。

勉強だって、スポーツだって得意になれる。

ヘタに目立ったって、良いことなんてない。

その性格のせいか、何故かピエロが大嫌いだった。

キッカケは本でピエロの存在を知ってから。

ストーリーはよく覚えていないけれど、笑われるだけの存在だというところに、嫌悪を覚えた。

それからはテレビで見るのもダメ。

言葉として見たり聞いたりするのもダメになった。

なのに…ここ最近、私の住む街ではピエロのウワサが流れている。

深夜遅くになると、ピエロが街の中に現れる。

陽気な歌を歌いながら。
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