孤独なピエロ
しかしピエロは構えて、団員達に切りかかった。

ところが流石はサーカス団。軽い身のこなしで、ピエロの攻撃を避けた。

まるでカマイタチのようなピエロの攻撃を避けても、そっちからは攻撃してこない。

だが、団長の手には小型のナイフが握られた。

ヒュッ!

ピエロよりも早い動きで、ナイフが動く。

するとピエロの腕から血が飛び出した。

ピエロの雰囲気が変わる。

「ちょっとお話があるんですが、聞いてくれませんかね? 私達はあなたを迎えに来たんですよ」

しかしピエロは姿勢を低くし、突如走り出した。

風を切るほどの素早い逃走に、サーカス団員も追いかけようとしたが…。

「お止めなさい。追い詰めたところで、何にもなりませんよ」
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