十字架の宝石
プロローグ
俺は・・・思った・・・・。
教会の宝石を盗んだ犯人は憎い・・・。
だけど・・・だけど・・・その犯人の最期は美しかった。
真っ赤な薔薇と真っ赤なドレス・・・そして真っ赤な血に見取られて逝く犯人・・・・。
俺は最期の君を見たとき思ったんだ・・・。
君の様な美しい人物には、もう二度と逢うことはないと・・・。
棘の茨を抜けて真っ赤な血を流し薔薇色の唇に辿り着けた時・・・俺は最高の夢を見るだろう・・・。
君に送る最期の言葉は・・・・・・。
『ありがとう・・・そして・・・直ぐに君に逢いに行くから・・・・・』