ウサギ



こんな世界から離れたいと思うけどどこかの自分が「それはただの気の迷い」と自分を制御している。




「なにそれ?死のうよ…。ねぇ、死のうよ…。」



こいつには制御するものがないのか…。



俺の腕をつかみ、下を向いて震える女。



…いや、あるはずだ。




でなければ、もうこいつは死んでいる。



「死にたい…。死にたいよ…。」



女は大粒の涙を流す。




俺は成す術もなく途方を失った。








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