ウサギ
孤独じゃないよ。
「じゃあ…お別れだな。」
荷物を詰めたスーツケースを持って、女は笑う。
「ああ。」
「もっと言うことねぇのかよ?"愛してる"とかさぁ~。」
「お前みたいなヤンキーを誰が愛すか。」
「ま~あたしもあんたみたいなチェリーボーイはこりごりだけどね。」
「うっせ。」
俺の返答に女は苦笑する。
「んじゃ、また会おうぜ!」
「会えたらな。」
彼女は笑って、俺に背を向きスーツケースを転がした。