ヘタレ彼氏
「でもさーソイツ絶対綾乃に気があるよねー!チャラチャラしたヤツはともかく、男が女にメアド聞くのって好きってことじゃん?」
「えーそうとも限らないでしょ。それに私喋ったことも無いもん。」
「あれだよ、一目惚れ、ヒ・ト・メ・ボ・レ」
「ないない」
私が軽く笑いながら否定すると、あやかがいきなり「あっ!」と大きな声を出した。
私はすぐさまあやかの視線の先に目をやると、何のへんてつもないいつもの廊下だった。
「え、何もないじゃん」
「ホラあれだよアレ!アレが佐藤宏平!」
私はその名を聞いて再び廊下に目をやった。