ヘタレ彼氏




するとそこには、紛れもなく昨日メールした本人“佐藤宏平”がいた。


身長は180cm弱、若干茶色がかった髪をワックスで固めているのかふわふわしてる。顔も、特別目立つってほどじゃないけどそこそこいけてる。


そういえば、こんなやついたなぁ。



佐藤宏平は横目でこちらをチラッと見ると教室の前を通りすぎて行った。


私は一瞬目が合ったかと思い、ドキリとした。


「ね!さっきこっち見たよね!見たよね!絶対綾乃のこと意識したよね!!」



あやかがひとり興奮してるそばで、私は佐藤宏平が通りすぎた後も廊下をぼーっと見つめていた。



あんなやつが、昨日あんな硬いメール送ってきたのかと思うと、違和感しかなかった。

なんか、もっとこう、地味で根暗な感じだと思っていた。





でも、違った。

普通に、かっこよかった。






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